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その手で乳房のあらゆるトラブルを解決し、母乳育児に悩む母親の救世主として「おっぱい先生」と慕われるのが助産師の武田一子氏(78)だ。

乳房の専門家ですら授乳期以外に乳房に施すことはない。
それほど乳房というものはデリケートである。
おっぱいを揉むと大きくなるという俗信もあるが、まったくの誤りだ。となれば、愛する人の乳房のために男性がひと肌脱げることなどほとんどないように思えるが、実はベッドの上での男の振る舞い次第でおっぱいを窮地に追い込んでしまうことも起こりうる。

「将来、授乳の可能性がある女性の乳頭を大人が吸うと、異常に大きくなる場合があるんです。赤ちゃんは母乳を吸うために乳輪部からくわえますが、大人がいたずらに吸うと乳頭だけをコロコロ吸ってしまう。幼児ですら、本来の吸い方はできない。正しい乳房の吸い方は唯一、赤ちゃんにしかできないんです」

その結果、乳房は驚くべき姿に変わってしまう。

「乳頭が過剰に刺激されることで、人によっては乳頭が異常に腫れてしまう。乳頸の直径が細くなって乳頭が大きく腫れ上がってしまい、キノコのような奇形になるのです。直径2~3センチ、高さ2センチほどに腫れていたケースがありました。これでは絶対に赤ちゃんは吸えませんよ。せっかく母乳が出ていたのに搾乳するしかなくて、お母さんも赤ちゃんもかわいそうでしたね」

母親いわく、“おっぱいを吸わないと眠れない”亭主だったのだそうだ。

「眠れないからと毎晩吸われるため、離婚も考えたそうです。以来、キノコ型の乳首をしているお母さんに尋ねると、ご主人かお子さんが吸っているケースがほとんどです。どうか、これだけはやめていただきたい。指で触れるときにも乳頭をつままないでください。乳房にマッサージは必要ないのですから、やさしくそっと触れてほしい」

いくらおっぱい好きでも、行き過ぎた愛撫で傷つけてしまっては元も子もない。



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